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脳卒中の歩行について

先日、県の学会で発表させていただいた脳卒中の歩行についての資料の一部をアップしたいと思います

スライド2 

 まず、治療戦略の概略として、支持の安定性獲得というバランス能力の改善と、運動コントロール改善を進め、動作安定性を改善しながら、できる限り正常で効率的な動作パターンへ改善を図り、介助が必要な状態から見守りへ移行できるようにしていく。
そして、さらに実用性や機能性を高めながらADLへ汎化させる必要があります。そこで、
より脊髄の貢献度が高くなる自律的な部分の改善を図っていくために、2動作前型歩行につなげていくかということが、CPGの作動し、定常歩行における自動的制御を活かす上で重要であると考えられます。さらに、歩行スピード高めるということは効率的な動作を獲得し活動範囲を広げる可能性があるということからも屋外を含めた実用性向上に向けて重要であると考えられます。
そしてもう一つ、脳の貢献度が高くなる障害物の回避など意図的な運動を改善できるような介入も含めて、両方向性に進めていくことが必要ではないかと考えられます。


スライド5 

どの関節からのどのような運動が固定されて引き出したい運動が低下しているか。

また支持が低下して、不安定性を引き起こしているか。

という部分に対するきっかけに対して介助や動作誘導の中で明らかにして、改善に向けて介入していくことを考えていく必要があると思います。


スライド8 

動作分析の部分に加えて、病巣から病態を解釈していくということも治療介入をすすめていく上で重要であると思います。

症例の病巣として視床の後外側を含み、外側と頭側に血腫の進展を認めました。

VPL(後外側腹側核)の損傷による、体性感覚障害の可能性が考えられます。

LP(後外側核)LD(背外側核)は、上頭頂小葉をはじめとする頭頂連合野と連絡関係があり、体性感覚と視覚情報を統合し、身体図式の形成を行っていることや、感覚情報に基づいた運動戦略に関与していることから、感覚と運動の統合における障害の可能性も考えられます。

VL(外側腹側核)周囲に血腫が存在しているため、大脳基底核における筋骨格運動ループの損傷の影響により筋緊張を抑制するシステムに障害があり、筋緊張は亢進しやすくなる可能性が考えられます。

また、小脳や深部感覚に関与する線維が投射しているため、小脳・感覚性運動失調などの運動障害が生じる可能性も考えられます。

■皮質脊髄路、放線冠の障害に伴う、対側上下肢、体幹の随意運動低下

■皮質網様体路の障害に伴う同側体幹筋、近位筋調節低下に伴う予期的姿勢制御の低下が問題となる病態として考えられると思われます。

これらを考慮しながら介入を進めていく必要があると考えられるわけですが、ここで、前述した支持・運動コントロール機能の改善という部分だけでなく、より主体的な感覚と運動の統合を進めていかなければ、できる動作としている動作の乖離が生じると考えられます。


スライド9 

 そのできる動作としている動作の解離の例として考えられることとしては、

リハ中での問題箇所に注意を外在的フィードバックした中での動作において下腿外旋制動し、下腿前傾から股関節伸展による前方重心移動を行いながらの非麻痺側()の遊脚への移行が可能になったにも関わらず、外在的フィードバックがない中での動作では、改善した機能が活かされず、能力の変化につながらないということがあげられます。


スライド10 

 そこで、支持・運動機能に付帯して考慮して治療介入を進めていかなければならないと考えることとして、知覚と運動を切り離さないよう意図的かつ意識的な活動を行っていくということです。

 そのために、麻痺側への体性感覚運動刺激において、注意を自己身体や行為に向けた中で、意図的な運動や支持反応の予測をしながら実際の運動を行っていく。そして、知覚やイメージと実際の運動の自覚的な誤差の検知やその修正(例えば、遊脚で膝を曲げるということはイメージができているが実際はできていないということを知覚するなど)自覚的な部分と他者が見た部分の差の有無。(例えば、遊脚で本人は膝を曲げられていると感じているが、他者がみると行えていないという差など)結果の予測と実際のずれを修正するということを、考慮して治療介入を進めて、得られた支持や運動というものを実用的な動作に結びつける。というプロセスが機能回復を進めていく上で重要であると考えられます。

 その方法の一つとして、好ましくない運動や支持の反応に対して、好ましい状態へ介助や誘導というハンドリングを通じて介入していくことで成功体験の中での学習が進められると考えられます。

 この意識的かつ主体的な活動により、自身の身体状態に対して気づきを得られ、自己でのフィードバックから後につながるフィードフォワードへ転換されていくことで、実用的な動きにつながっていくのではないかと思います。


スライド11 

 さらに、能動的な支持や運動コントロールの改善などの機能的側面の変化に対して、歩行という動的場面の状況の変化というオンラインにおいて反応機構を働かせ、結果に対してフィードバック制御を行い学習を進めていく必要があると思います。

さらに、オンラインでのフィードバック制御が得られてくると、次は変化に応答する以前の起こりうる事象に対するフィードフォワードを働かせて、予測的・予期的な制御を可能としていく介入を行っていくことで実用性を高めていくよう働きかけていく必要があると考えられます。

本症例の場合、歩行時の不安定性に対する主体的な反応機構の改善から、予測的・予期的に回避していくという介入戦略を行い、実用性を高めていく必要があると考えられます。




スライド12 

 本症例は筋緊張を抑制するシステムに障害があり、筋緊張が亢進しやすくなる可能性があり、足部など末梢運動コントロールの改善は難しいことが予想される中で、前述した機能改善へのアプローチに加えて、運動機能回復の経過と予測をしながら、実用性を低下させている要素に対して、装具を選択していく戦略も必要であると考えられます。

①立脚期の問題

立脚期における足部内反から下腿外旋による膝伸展が残存する場合、底屈制動により、下腿前傾への移行を可能にし、下腿前傾から股関節伸展による前方重心移動を可能とすることで前方転倒傾向を改善していくことを考えていく必要があると思います

②立脚の問題は改善したが遊脚の問題は残存

足部のクリアランスを確保するための底屈制動により前方転倒傾向を改善していくことを考えていく必要があると思います

このように、機能改善を図りながらも、装具を考慮していくことは必要になってくると考えます。


スライド13 

 特に歩行機能の向上や維持という機能的予後ということをふまえても、立脚初期から中期への移行における、足部内反筋群、底屈筋群の緊張亢進による足部内反に伴う下腿外旋の制動が重要であると考え、機能改善で困難である場合、アンクルロッカーからフォアフットロッカーへの移行における下腿前傾から股関節伸展への支持移行にこの機能を装具で補助していくように装具を選択していく必要があると思います。

そしてこれらの介入戦略からどのような課題と学習をすすめていくことを考えるかという点について次のスライドで考えたいと思います。


スライド14 

 その課題戦略としては、まず、筋短縮の改善から正常な活動の向上に介入していく中で、目的箇所へ注意や意識が向けられやすいよう課題難易度を調節し結果に対するフィードバック調整を確立していく。

そして、確立できれば、目的箇所へ意識や注意の向きにくい環境を設定した中での課題設定を行い、予測的なフィードフォワード制御を確立していくことが必要であると考えられます。

本症例において、不安定性が出現した際の反応的制御を確立することで、介助から見守りへの移行が可能となり、

不安定性が出現する前に予測的制御を確立していくことで見守りから自立への移行というように実用性の向上へつながる可能となるのではないかと考えられます。

スライド15 
 そして、全体について整理させていただきたいと思います。

運動機能回復に伴う運動コントロールの改善、支持の改善に伴うバランス能力の改善とバランス能力が改善することで得られる努力的な姿勢制御の改善による運動コントロールの獲得という相互作用や、それを補助する装具戦略により、動作の安定性という機能的側面の安定化を図っていく。

平行して、

目的とするパフォーマンスがどのような運動要素から成り立っているかを理解し、より正常に近く、実用性の高い技能を獲得することでパフォーマンスを高めるというスキル学習を行いながら、意図していたパフォーマンスと異なる場合、意図する運動との誤差を検出して減少させる「フィードバック誤差学習」という適応学習を行っていく。

これらをすすめながら、外在的から内在的なフィードバックからフィードフォワードでの制御を可能にしていき、自律的な整地での定常歩行、意図的なまたぎや障害物回避など実用性を向上していくことで実用的な移動手段としての歩行獲得に向けて介入していく必要があると考えられます。

また、この安定性の向上から機能性向上を進めていくことで2動作前型での動作で歩行スピードも向上させながら、屋外の歩行での移動についても実用性を高めていくことができるのではないかと思います。


スライド16 

歩行の実用性に対して、1つの手段だけでなく、スライドのように移動手段の多様性を考え介入していくことでより実用的な歩行での移動が可能となると思います。

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